2018年 12月 09日
「八つ墓村」
この映画には、印象的な場面が3つある。ひとつは、主人公の辰弥(萩原健一)の祖父である丑松(加藤嘉)が毒殺される冒頭の場面。もう一つは、渥美清演じる金田一耕助が、野外に佇んでいる後ろ姿。もう一つは、復讐を果たした落武者の亡霊達が、丘の上に佇み、燃えていく村を見下ろしている場面だ。
冒頭の毒殺シーンは、私の弟が、幼い頃にたまたま見てしまい、恐ろしすぎてトラウマになっていた。ヨボヨボのお爺さんが七転八倒し、床を転げ回り、泡を吹いて死んでいくシーンは、あまりにリアルで恐ろしすぎた。この老人を演じている俳優は他の映画でもよく見かけ、「八つ墓村の殺されるお爺さん」として認識していたが、加藤嘉という、様々な監督に必要とされていた名優だという事を、最近になって知った。(そしてなぜか急激にこの俳優さんにはまってしまい、現在私は加藤嘉ブームです。)
渥美清の後ろ姿のシーンは、以前観た時に、あまりに色気を感じてドッキリし、自分でも驚いたのだが、後に渥美清が亡くなった時、追悼番組で大江健三郎氏が「渥美清さんは本当に立ち姿が美しい方でしたね。もうエロティックと言えるくらい。」と語っているのを聞いて、ものすごく共感した。
寅さんを見ていてもあまり気付かなかったのに、どうして金田一耕助で?と不思議である。
最後の落武者達のシーンは、ただただ、かっこいい。この場面を見るために、この映画を観ると言っても過言ではありません。
紙ひこうきを飛ばす小学生
by nu913
| 2018-12-09 23:11
| 映画
|
Comments(0)