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吉本ばなな「N・P」を再再読して

夏は、私にとって読書の季節だ。小学生の頃の夏休みに、友達と一緒にバスに乗って近所の図書館によく行った。緑の多い住宅街にあり、中に入るとクーラーがキンキンに効いていた。図書館というと夏の印象があり、それがきっかけかわからないけれど、夏になると本が読みたくなる。
このあいだ、吉本ばななの「N・P」を再再読した。初めて読んだのは、1999年の秋だった。この年は、吉本ばななをがーっと続けて読んでいた。なんだかある作家の作品と、その時の自分の境遇(心境?)が妙にリンクして、次々と読んでしまう時期があるが、その時がまさにそうだった。
次に読んだのは2009年で、子供がお腹の中にいた夏。「N・P」はあるひと夏の物語だが、夏になって、10年前の夏の雰囲気が懐かしくなり、読んだのだと思う。
そして今回3度目だが、読み終えて「やっぱりいい話だな」と思った。初めて読んでから20年近くたつが、若い時にしか感じられない夏が、すごくあらわれている。20年前の自分が、その時過ごしていた自分の夏と、その物語をリンクさせたのも、そこに普遍的な若者の感じ方があったからではないか、と思う。(20年前、私はすでに30代だったから「若者」ではないかもしれぬが…)
きっと、どんな年齢で書いた(描いた)作品でも、その時にしか書けない(描けない)ものなのだろう。それは後になってわかるのだろう。そう思うと、なるべく沢山描いておいたほうが良いな、と思う。

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月曜日の小学生

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by nu913 | 2018-07-23 13:30 | 読書 | Comments(0)